化粧筆ができるまで
広島県安芸郡 熊野町
江戸時代末期から続く、筆造りの町で
花占堂の化粧筆は作られています。
熟練の職人により、
一本一本丁寧にすべて手作業で。
すべての工程を終えるのに
約2ヶ月を要します
1選毛・混毛
筆司により吟味された高品質な原毛だけを使用します。
人間の髪の毛と同じように「硬さや太さ、クセ」が
ひとつひとつ異なる原毛を、機能、用途にあわせて
混毛することで均一の品質に仕上げます。
2精毛(逆毛取り)
原毛に含まれている逆毛や毛先が傷んだ毛だけを
半差し(小刀)を用いて上向きに抜き取ります。
熟練した職人にしかできない
熊野筆つくりの伝統技法です。
3コマ入れ
化粧筆の命というべき穂先の形状を整えます。
コマに毛を入れ細かい振動を与え
全ての毛がコマに馴染むようにします。
コマ自体も化粧筆の用途にあわせて
一つ一つ手づくりしています。
4糸締め
コマから取り出す前に、根元に針金を水平に
均等な力で巻き付け固定します。
次の工程「揉み出し」のため適度な強さが求められる
繊細な作業です。
5揉み出し
コマ入れで出来た穂先をより完成度を高めるために
「揉み出し」をします。
仕上げる穂先をイメージしながら、毛に触れる感触で、
どこをどう揉のかを瞬時に判断し仕上げていきます。
特に高度な技が求められる最も重要な工程です。
仕上がった穂先の根元の余分な毛を切り取ります。
6金具どめ
穂先に金具を装着して固定します。
7軸づけ
穂先を軸に取り付けます。
このように、花占堂の化粧筆は、
穂先の原毛の選毛から、
筆になるまで約2ヶ月かけて、
職人の手仕事と
技術の結晶により作られる、
とても希少なものなのです